福井について
自然、伝統文化、
ものづくりの精神が息づくまち、福井県。
福井県は、本州の北陸地方、最南部にあります。緑と清流に恵まれ、日本海の荒波が作り出す壮大な景観が広がる海岸など、素朴で飾らない自然の美しさに溢れています。年間を通して曇り空が多く、冬は積雪が厳しい福井県では、冬の間に農業の代わりに出来ることとして、ものづくりが発展してきました。職人の手で一つ一つじっくり丁寧につくられる越前漆器、越前和紙、越前打刃物などの伝統工芸や越前瓦、現代では大量生産型となった繊維、眼鏡など。ここ福井は、自然、伝統文化、そしてものづくりの精神が息づくまちです。
越前瓦について
凍らない、滑りにくい、長持ち。
銀鼠の色が美しい越前瓦。
福井県の地域ブランドとして登録されている越前瓦。江戸時代に誕生した越前瓦は、北前船で北海道まで出荷されてきた歴史があり、雪深い福井の地域で主に屋根瓦として使われてきました。福井県は日本の六古窯にも数えられる越前焼の産地でもあり、越前瓦は越前焼と同じく鉄分を含む粘土を用いています。釉薬をかけずに還元焼成(※高温で焼き上げることで土の中の酸素を奪い本来の鉄に戻す焼き方)を行うことにより、独特の色である「銀鼠」という渋いいぶし銀が表面に現れ、美しい色合いを作り出します。表面の質感はザラザラとしており、寒冷地でも凍ることがなく、屋根の上で雪下ろしをする時に滑りにくい機能も持ち合わせています。北陸の気候に適した越前瓦は、ユーザーから「積雪に強く滑らない、しかも長持ちする」と安心・安全な屋根材として高く評価されています。
福井繊維について
奈良時代から始まり、絹羽二重織で評価され
現在では人工衛星の部品にまで発展する福井の繊維。
福井の繊維の歴史は古く、奈良時代には既に全国有数の絹織物産地となっていました。繊維業が盛んになった理由としては、降水量が多く湿潤なため静電気が起きにくく織物を作るのに適していたこと、厳しい寒さが長引く冬期に農家の副業として営まれていたことなどが挙げられます。西暦2~3世紀ごろ、大陸の移民から養蚕と製織の技術の伝来があり絹織物業が発展してきたとされており、奈良時代の元明天皇から絹織物の生産が命じられていたことが史実として残っています。明治4年からは絹羽二重織の研究が進められ、こしがあって丈夫で、光沢が美しく、風合いが柔らかい福井の絹羽二重織は最上の絹裏地と評価されています。現在の主力は、ポリエステルなどの長繊維織物。出荷額全国一位(全国生産量の約40%)を維持し続けています。ファッション衣料、スポーツ選手のユニフォームなどの高機能衣料分野、
カーシート・パソコン・人工衛星の部品等の産業資材分野まで幅広く活用されています。